解説記事  |  2020/3/4 更新

2020年4月から義務化!電子申告に必要な届出・準備とは?~税務編~

2020年4月から、大法人を対象に電子申告が義務化されます。

税務に普段関わりのある方は、電子申告が義務化されることは知っているけど、具体的に何をしておけば良いかわからない、という方が意外と多いのではないでしょうか。

実は、電子申告が義務化される法人は、届出を提出する、e-TaxやeLTAXといった電子申告時に利用するシステムに登録する、電子証明書を取得しておくなど、準備が必要なのです。

この記事では、税務分野(法人税・消費税)の電子申告義務化の概要と、必要な準備について解説します。

2020年4月から義務化!電子申告に必要な届出・準備とは?~税務編~

2020年4月から、大法人を対象に、一部の税目において電子申告(電子申請)が義務化されます。

文章だけ見ると何やら難しそう・面倒くさそうと感じる方は多いのではないでしょうか。この記事では、


  • 電子申告は、どういった法人が対象なのか
  • 何を電子申告する必要が生じるのか。※税務分野と社会保険分野が対象になりますが、本記事では税務分野を取り上げます。(社会保険分野をまとめた記事はこちら
  • 電子申告するために必要な準備はあるのか、あるとしたら、何をすれば良いのか


について、解説していきます。


※この記事は、2020年2月時点の公表内容を基に作成しており、2020年4月から義務化される電子申告手続きについて解説しています。


電子申告義務化の概要について

この章では、電子申告しなければならない法人の対象、手続きの内容、時期を解説します。

税務における電子申告義務化の制度概要について確認したい方は、是非ご覧ください。


電子申告義務化とは?


国税庁や地方税共同機構のHPによると、2020年4月から、大法人を対象に、一部の税目において電子申告(e-Tax、eLTAX)を義務とする、と発表しています。

このままだとわかりにくいので、どういった意味なのか、かみ砕いて説明していきます。

(※e-Tax、eLTAXの詳細は後述しますが、国・地方自治体が提供している電子申告用のシステムのことです。)



(出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/houjin_e-tax_gimuka_201806.pdf


電子申告義務化対象の「大法人」とは?


今回対象となる法人は大法人です。国税庁のページによっては、「一定の法人」という表記もされており、ある程度の規模を有する法人が対象となっていることがわかります。


では、今回の電子申告義務化対象となる法人は、どの規模以上の法人を指すのでしょうか?


電子申告義務化対象となる「大法人」という条件の詳しい説明は、以下の画像の通りになります。


(出典:国税庁 https://www.e-tax.nta.go.jp/hojin/gimuka/taisho_ichiran.pdf


法人の種類により色々な記載があります。

最も数が多い株式会社を例に挙げると、資本金が1億円を超える法人が対象となっています。


したがって、目安として「資本金1億円を超える法人が義務化対象」と理解しておけば良いでしょう。


しかしながら、電子申告義務化を急にされても、法人によってはどうしても電子申告ができない、というような事情がある場合も考えられます。

今回の義務化では例外規定が設けられており、正当な事情を主張できる場合には書面での提出も可能となります。


具体的には、電気通信回線の故障、災害その他の理由によりe-Taxを使用することが困難であると認められる場合に電子申告が免除されます。

電子申告免除には、納税地の所轄税務署長に所定の手続き書類を提出する必要があります。


なお、本記事作成時点では、義務化対象の法人であるか否かに関して、税務署から通知する予定はないようです。一方で義務化対象の法人が電子申告をせず従来通り書面で申告した場合、申告は無効とみなされ、無申告加算税の対象となります。

電子申告の義務化対象になったにも関わらず、当事者は知らされず、今まで通りの方法で申告したら無申告加算税がかかる、というのはなんとしても避けたいですね…。

是非ご自身の所属する法人が義務化対象か否か、必ずご確認ください。


義務化される手続きの内容は?


次に、義務化される手続きの内容について解説します。

税金関係の手続きのうち、抑えておくべきポイントは3つです。


  1. 義務化対象の税目は何か
  2. どの手続きが対象になるのか
  3. 対象税目のうち、どの書類を提出すれば良いのか


まずは、対象の税目から見ていきましょう。

対象の税目は、以下の4つです。


  • 法人税(e-Taxで申請)
  • 消費税(e-Taxで申請)
  • 地方法人税(eLTAXで申請)
  • 地方消費税(eLTAXで申請)


法人税と消費税が対象の税目だ、と捉えておきましょう。


補足として、e-TaxとeLTAXの違いについても述べておきます。


e-Taxとは、国税庁が運営するシステムです。国税庁が管轄する法人税や消費税を電子申告により納付手続きができるなどの機能を備えています。

eLTAXとは、地方税共同機構が運営するシステムです。地方法人税や地方消費税を電子申告により納付手続きができるなどの機能を備えています。


次に、対象税目のうち、どの手続きが電子申告義務化の範囲となっていて、それぞれの手続きでどの書類を提出すれば良いのかについて見ていきましょう。


まずは手続きについてです。電子申告で義務化される手続は、以下の5つです。


  • 確定申告書
  • 中間(予定)申告書
  • 仮決算の中間申告書
  • 修正申告書
  • 還付申告書


次に、対象の書類について見ていきましょう。

対象書類は、申告書及び法人税法等において申告書に添付すべきこととされている書類は全て対象です。所謂、財務諸表や勘定科目内訳明細書などの添付書類のことです。


例えば法人税の確定申告書の場合、以下の書類が電子申告義務化の対象となります。


  • 法人税申告書
  • 法人税申告書別表
  • 財務諸表
  • 勘定科目内訳明細書
  • 法人(会社)事業概況書
  • 摘要額明細書
  • 第三者作成等の添付書類



添付書類は法人の規模にもよりますが、量が多くなるのが一般的です。今回の義務化により、電子申告の対象となった書類が増えたと言えるでしょう。


ここで一つ注意しなければならないのは、財務諸表や勘定科目内訳明細書などの添付書類は、第三者作成等の添付書類を除き、PDF形式でのデータ提出が認められていません。

提出形式は書類の種類にもよりますが、XMLというファイル形式が基本です。


しかし、2020年4月より、提出書類形式の柔軟化が図られ、法人税申告書別表、財務諸表、勘定科目内訳明細書はCSV形式での提出も可能になります。


義務化の時期はいつから?


義務化の時期は、2020年4月からですが、実際には事業年度により開始する時期が異なります。

国税庁が詳細を発表していますので、よく確認しておきましょう。

以下は3月決算法人の場合の申告書の区分および対象時期です。




電子申告するために必要な準備は?

次に、電子申告するために必要な準備について解説していきます。

今回の記事では、税理士に代理送信を行わないという前提で解説を進めていきます。


電子申告にはe-Tax、eLTAXどちらも使用する必要があります。しかし、これらは別々に利用登録などが必要となっています。

e-Tax、eLTAXそれぞれに必要な準備を確認していきましょう。


e-Taxの準備について


電子申告義務化に必要な準備チェックリストを以下にまとめます。

チェックリストはe-Taxをまだ利用したことがない法人を対象に作成しています。


  • パソコン環境の準備
  • 電子申告の事前届出(既にe-Taxを利用している法人でも届出必須
  • 開始届出書の提出
  • 利用者識別番号の取得・暗証番号の発行
  • 電子証明書の登録とダイレクト納付の事前登録


ここで注意が必要な点として、電子申告の事前届出は、2020年4月1日以降最初に開始する事業年度開始日から1か月以内に、電子申告義務化対象の法人すべてが提出する必要があります。つまり、既にe-Taxを利用している法人でも改めて届出必須となっています。


再度の記載になってしまいますが、電子申告が義務化された法人かどうかについて、2020年2月時点では国税庁から通知する予定はないそうなので、電子申告が義務化されているかどうかを自ら確認し、届出をする必要があります。


詳しい事前登録の内容は、国税庁HPを確認しておきましょう。

出典:e-Tax(https://www.e-tax.nta.go.jp/systemriyo/index.htm


eLTaxの準備について


  • 利用届出提出・利用者IDの取得
  • パソコン環境の準備
  • 署名用のプラグインをインストール
  • e-mailアドレスの準備
  • 電子証明書の準備
  • 提出先の登録(複数の地方自治体に対して納税を行うため)
  • ソフトウェアのインストール


出典:eLTax(https://www.eltax.lta.go.jp/eltax/gaiyou/flow/


なお、準備の多くはe-Tax、eLTAX上の届出や申請なのであまり時間をとられません。一方、電子証明書を取得しておく点はある程度時間が必要な準備ですので、少し詳しく解説していきます。


電子申告に利用できる電子証明書は?


e-Tax、eLTAXどちらも準備の中で電子証明書が必要となっています。電子証明書を発行する認証局は複数ありますが、実は全ての電子証明書が使えるとは限りません。e-tax、eLTAXホームページ内で動作確認済みのものが紹介されていますので、必ず電子証明書を発行する前に使用可能なものかどうか確認しましょう。


(e-taxで使用可能な電子証明書:https://www.e-tax.nta.go.jp/systemriyo/systemriyo2.htm

(eLTAXで使用可能な電子証明書:https://www.eltax.lta.go.jp/eltax/junbi/denshisyoumeisyo/


(参考)電子証明書の取り方は?


こちらの記事(https://ttzk.graffer.jp/articles/48)で、e-Tax、eLTAXともに使用可能な電子証明書の一つである、商業登記電子証明書の取得方法について、取得方法を詳細に解説しています。電子証明書を取得する必要のある方は是非ご覧ください。


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終わりに


いかがでしたか。

今回の記事では、2020年4月から義務化される電子申告の概要と、必要な準備について解説しました。

電子申告が義務化される法人にも関わらず、義務化対象になりました、という通知はされない一方で電子申告を行う際の届出は必須となっています。

是非忘れずに届出を済ませてくださいね。


また、電子申告に必要な準備の中で、電子証明書は取得に手間がかかる場合が多いので、予め取得しておくことをお勧めします。

電子申告義務化の対象法人だけれど、まだ申請に必要な電子証明書を取得していない

という方は、ぜひお早めに電子証明書を取得してみてくださいね。



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Edited by  |  記事公開日:  |  最終更新日: 2020/3/4

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